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患者さんアンケート
2017/01/31

~「患者さんアンケート」集計結果~②

メディア

本年3月、J-BREATH会員登録更新の際に、会員を対象に「患者さんアンケート」を実施し、5月下旬までに77人の方々から回答が寄せられ、その結果の第一報を前号のJ-BREATH紙(第83号)に掲載しました。

本号では、(3)医療機関および医療者に望むこと、(4)医薬品についての回答を報告します。


【設問3】 医療機関および医療者に望むことがありますか?

あるとすればどのようなことですか?

アンケート回答者77名中、3分の2の50名強の方が記載していました。

回答者の中には、J-BREATH紙の記事などを参考に独学で呼吸リハビリ運動の方法や自立した生活をするための工夫をしているというHOT歴12年目の89歳の方もいます。

多くの患者さんは、何かアドバイスが欲しいと常に思っており、主治医の的確な指導、ていねいな説明を期待しています。

記載された内容は、大きく分けると、一つは「ていねいに説明してほしい」(外来診察の折に。呼吸リハビリの指導を。日常生活の注意点や食事指導を。身体障害者認定について。など)と云うことと、二つ目は「医療者の対応に釈然としない」(酸素業者に丸投げしている。診察中パソコンとのみ対話している感じ。担当医の交代が多すぎる。診療待ち時間が長い。など)と云うことです。

以下に要望事項の主なものを紹介します。

ていねいに説明してほしい

■外来診察の折に
・月一回の診察時に現状の説明は何もない。
・疾患の内容の説明、治療の方法等説明をしていただきたい。
・病気の進行の例などを説明してほしい。
・症状の改善状況を通院のつど知らせてほしい。
・検査の結果や状況について正しく、理解できるように説明を聞きたい。

■指導してほしい内容(呼吸リハビリや日常生活の注意点など)
・外来でも呼吸リハビリテーションを受付ける病院が少ないので増やしてほしい。
・呼吸リハビリを指導してほしい。
・病院で呼吸リハを実施しているが、現状を医師にフィードバックして医師から患者に指導がほしい。
・日常生活の具体的は過ごし方。食事療法指導を。
・生活指導を受ける機会がほしい。
・ウォーキング等、体力作りの指導。
・HOT歴15年心臓への影響を知りたい。(歩けと云われるが息切れとの関係は?)
・CTやレントゲンは年に何回も撮っても大丈夫なのか。

■身障手帳
・身体障害者の認定について知りたい。
・呼吸器系疾患の身体障害の認定が厳しい。呼吸の困難度は算定しにくいこともあるがもっと認定しやすくしてほしい。
・身体障害者手帳4級。病状が進行しており再申請したほうが良いか。

対応に疑問あり

■対応の問題
・HOT患者は酸素吸入したら普通どおりに動けるとみなしがちだが、ゆっくりしかできず配慮してほしい。
・酸素業者に丸投げでなく、病院の責任で実施してほしい。
・HOTは患者にとってストレスが大きい。患者・家族に十分説明してほしい。
・インフルエンザ流行期に支払いの為に病院に行く。(COPD患者は感染が怖いのは医療者が一番知っているのに)
・タバコをすった本人の自業自得というようなことを言われた。
・パルスオキシメーターで酸素飽和度と脈拍数はチェックできるがCO2の状況はわからないので、定期的に動脈血を調べてCO2値を見てほしい。
・Ⅱ型呼吸不全でNPPV器を使用しているが、医療スタッフの方々にⅡ型呼吸不全を理解していない人が多い。
・先生はパソコン画面に向かっているときが多いが、困っていることはありますか?などと医療者側から言ってもらうと患者としても言いやすい。
・診察ではパソコンとの対話のみの感じで時間が過ぎ、いつも不安を感じたまま帰る。呼吸器の専門医が少ないので我慢するしかないのが残念に思う。
・聴診をしない医師が増えている。息苦しさを訴えても反応もなく回答しない医師もいる。
・もう少し、目や顔をみて悪いところの触診や聴診をしてほしい。
・肺機能検査を10数年行っておらず、このまま呼吸器専門病院に通院していて良いのか迷っている。
・患者本人を第一とした医療であること。診察時間に余裕を持ってほしい。
・ゆったりとした心で病気と向かい合えるよう心のケアを希望する。
・認定看護師による在宅療養指導があると良い。患者はいつも孤独です。

■担当医が変わる/呼吸器の専門医が少ない
・担当医の交代が多い。夜間などの救急外来の質を上げてほしい。
・担当医が変わりすぎる。カルテの過去の記載をもっと見てほしい。
・診療科の連携を検討してほしい。
・COPDは身体全体に関わる病気なので、呼吸器・循環器科など全身診察をどの施設も行ってほしい。連携がうまくいっていない。
・開業医院では難しいことかもしれないけど、基本検査をして頂きたい。

■長い待ち時間
・基幹病院の外来のため待ち時間が長い。
・予約をしていても毎回1時間30分から2時間以上の待ち時間は何とかならないか。

■制度の問題
.医は仁術であってほしい。算術の病院が多い気がする。そういう病院は患者の囲い込みに熱心で薬を出すことに重きをおいている。
・教科書通りの処方で完治もないまま期間がくると退院の準備になる。患者本位の治療でなく損益の意向で困る。
・NPPV器を使っているが年金生活者には負担が大きい。社会福祉制度の拡充を望む。

【設問4】 医薬品について

処方されている薬の種類数やその中に吸入薬があるかどうか、全ての薬を処方通りに飲んでいるか、飲んでいない場合の理由、また、飲み薬や吸入薬で不満に思う点について訊ねました。

■服薬種類数  有効回答:70名

服薬種類数 人数 割合
6%
7%
2~5 34 48%
6~10 23 33%
11以上 6%
70 100%

服用している薬が2種類から5種類までの方が約半数で、6種類から10種類までの方が約3割でした。

■吸入薬の有無  有効回答:67名

  人数 割合
有り 49 73%
無し 18 27%
67 100%

服薬している医薬品の中で、吸入薬が処方されている方は7割強います。

吸入薬の種類では、抗コリン薬(スピリーバ)に次いで、β長時間/ステロイド配合薬(アドエア・シムビコート・フルティフォームなど)や、長時間抗コリン/長時間β配合薬(ウルティブロなど)を服用している方が多くいます。

次に、全ての薬を処方通りに飲んでいるかどうか訊ねました。



■服薬の管理  有効回答:66名

  人数 割合
処方通り飲んでいる 58 88%
処方通り飲んでいない 12%
66 100%

きちんと処方通り飲んでいる人は9割近くいましたが、処方通り飲んでいない人が1割程度います。
これらの人に、“飲んでいない理由”について訊ねました。

・苦しくないから忘れてしまう。
・副作用が出るため自己判断で飲んでいない。
・1種類だけ自分で調整している。
・メプチンは痰の多いときだけにしている。
・必要のない薬を断りきれない。
・副作用があって、効果も疑問。

大変“正直”に飲まない理由があげられていますが、本来は、処方を出している医師に話し、きちんと説明を受けて忘れずに服用するとか、あるいは薬の種類を変更する指示を受けることが必要でしょう。

薬の設問の最後に、飲み薬や吸入薬で不満に思う点があるか、訊ねました。

以下に主なものを紹介します。

■効果や症状改善への説明が欲しい
・処方した薬で症状が改善、あるいは現状確保されているかの対話が少ない。
・足のむくみ・下肢静脈不全症候群の3種類の薬は症状の改善が見られないまま継続して飲んでいる。
・ジェネリックを薦められるが、経験上効き目の悪いものがある。充分な治験をジェネリックもやっているのか。
・類似の新薬が続けて発売されているが、画期的なものがない。
・定期的にチェックして不要になった薬は説明して取り下げることもしてほしい。患者からは言い出せない。
・副作用を少なくする為の吸入方法の指導がほしい
・副作用に対する説明はないものが多い。プラセボ効果も含めて情報を提供してほしい。先生も知らないものが多いと感じる。
・医師が知っているのか・・・  ジェネリックや新薬までも・・・

■副作用・長期投与による弊害の心配
・長期間同じくすりを服用して耐性菌について心配になる。
・長期投与の副作用。効用よりも副作用が心配なものが多い。
・薬の副作用なのかその他別の不調なのかがわかりにくく薬が増える。改善されることもあるがいつまでも飲むのか。
・こうなったら止める、こうなってるから続けるなど・・・

■効果がわからない
・副作用がないのはありがたいが、効き目を感じない
・飲んでいても効果があるのか不明な薬もある。
・シムビコートは効いているが、他の内服薬は飲み続けているだけで効果が不明。
・種類が多すぎるのではと思う。

■取り扱いや個別の問題点
・スピリーバレスピマットはフワッと出るので吸い込む力が弱っているためあまり入っていかない。フルティフォームは勢いがよく問題ない。
・サルタノールだけを重用。他はうがいが必要だし、取り扱いが面倒。
・ベネトリンをネブライザーで使用する際1回分のアンプルになると、スポイトで計量しなくて済むので手間が省けると思う。
・吸入薬の取り出し、吸入器へのセットは高齢になると細かい作業で大変だ。
・吸入薬でなかなか(シール?)がはがれないのが混じっている。
・飲んだ後の気分が良くない。口腔内が荒れる感じ。
・キュバールで舌が荒れること。
・吸入薬は声をからす。

此処にあがっている事項の多くは、患者からすれば、“ていねいに判るように説明してほしい”と云うことではないでしょうか。
また、逆に患者の方からも、判らないことを判らないままにして置くのではなく、どんなことが判らないかをはっきりさせ、診察の前にメモを書いておき、医師に訊ねるようにしては如何でしょうか。

医師の方では、患者から特段の質問がないと理解していると判断するでしょう。あるいは、患者が判らないのはどういう点なのか、何故判らないのだろうと思うかもしれません。短い診察時間ですと、患者の方ではこんなことは聞いても良いだろうかと引いてしまう場合もあるかもしれませんが、患者自身のことですから、遠慮は無用だと割り切り、しっかり聞くようにしてみてはどうでしょうか。



次号の「J-BREATH紙」(第85号)では、「患者さんアンケート」集計結果 ③」で、もう一つの設問<呼吸リハビリテーションについて>の回答を紹介します。

以上 (J-BREATH事務局 記)