はじめに


平成6年に設立した当時≪東京都呼吸機能障害者の会≫みどり会は2000年1月31日、日本の呼吸器障害者の団体として初めてのNPO(特定非営利活動法人)の認証を取得しました。

これにより患者会の広範囲の活動が可能になりました。日本呼吸器障害者情報センターでは、患者を対象として支援システム作りを推進し、的確で適切な情報提供サービスができる発信拠点としての役割を確保するとともに、全国患者会や医療機関等を通じ一般社会への知識の普及啓発につなげようと、(社)日本呼吸器学会の協力のもと新たな活動プログラムを開始することになりました。この当時の活動プログラムは、2010年現在にいたるまで発展しながらも基本的に踏襲されています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主に喫煙を原因とする病気ですが、世界の死亡原因の第3位にあります。日本においても潜在的な患者数は学術調査により500万人という報告があり、人口の高齢化とともに患者数が爆発的に増加することが懸念されます。しかし、このことは一般的にはよく知られていません。今日でさえ、わが国の社会保障また医療や福祉は多くの困難を抱えています。今後予想されるCOPD患者の急増を防止できなければ、日本社会は大きな痛手を受けることになります。

人が生命を維持するためには各臓器にいきわたる酸素が必要です。しかし、呼吸器障害を持つ人は、肺にうまく酸素が取り込めないため、酸欠状態が続き心臓にも負担を与え又他の臓器へも悪影響を与えます。

特に喫煙の害によるCOPD(シ-・オウ・ピー・ディー)=たばこ病は早期に発見し治療を行えば治る場合もありますが、進行が緩やかなため、際立った症状が出にくく、見過ごされてしまいがちで高齢になってから息苦しさを覚えてきます。正確な情報が行渡っていないため齢のせいと諦めている人も多く、発見が遅れるばかりか息切れがあると動くことも億劫になり、食欲の低下とともに痩せてゆき気分も沈みがちになります。早期に呼吸器専門機関を受診することが肝心です。

万が一病気と診断され、在宅酸素療法となった場合でも決してあきらめることはありません。ショックのあまり家に閉じこもりがちですが、そんな事を続けていると免疫機能が低下し症状はますます悪化します。寝たきり状態になりかねません。質の高い生活を過ごすには、日々の療養目標を定め、規則正しく、時には楽しみも見つけて生きることを自らが気づいて下さい。我々もその一助になればと思っております。あなた一人ではありません。人に理解してもらうにはどうか勇気を持って積極的に社会に出てゆきましょう。

私たちは、呼吸器障害者・患者の立場から禁煙やCOPDの検診による早期治療の運動を国民的規模で推進していきます。また呼吸器障害者・患者の社会的地位の向上、医療や福祉の向上のために活動の輪を広げます。

事業の主旨

当センターの事業の趣旨は、患者と家族、医療、福祉スタッフ、企業の三者を結ぶ情報センターとして、収集した情報を呼吸器障害者に提供し、その生活を支援していくことにあります。当センターの様々な活動は、三者の緊密な協力関係に基づく呼吸器疾患患者支援システムの中に位置付けられています。

先ず、医療・福祉スタッフとの協力関係から見ると、最も特徴的なのは、呼吸器科の専門医により組織された顧問団「アドバイザリー・コミッティー」(2001年10月発足)の存在です。当センターは必要な時に各顧問らに協力を求められる体制をつくることで、医師と患者の結び付きを強めています。

また、呼吸器領域における国内最大の学術団体である(社)日本呼吸器学会とは設立当初から良好な関係を築いており、車の両輪のように互いに働きかけあって活動を進めています。

今後に向けて

(社)日本呼吸器学会の調査では、全国に530万人の呼吸器障害者予備軍がいることも明らかになっています。3分の2は医療機関にかかっておらず、自覚症状がないことや、若年者層に広がりをみせている等の実態があるため、今後もより多くの情報提供が求められています。日本呼吸器障害者情報センターの今後の活動に期待が高まる中、活動の中心となる患者を支えるネットワークの強化も重要な課題であります。